天風(あまつかぜ) - 波兎
この隋変流に『天風』(あまつかぜ)という技があるそうです。
隋変流の達人であり中でもその『天風』を得意とした事から後にこの『天風』を号として活躍され、各方面に様々な影響を与え今尚その存在感を残されているのが中村天風(なかむらてんぷう)氏です。
中村天風氏の人生はまさに波乱万丈で、若い時には戦地で幾度となく死に直面され処刑寸前に僅かな差で救出されるいった経験もされた様です。その後も三十歳頃に当時は死の病であった病魔に冒され再び死に直面されてしまい、救いを求めて世界を探訪されたのですが得るものは無く希望が潰えてしまい帰国の途につかれたその途上で、インドのヨギ・カリアッパ氏に巡り合い師事、インドでの修行の日々の後についには悟りを得ると共に死の病をも克服して帰国。
帰国後は実業家として活躍されながらある時に全てを捨てて大道講演を始められ、壮絶な体験に裏打ちされた氏の言葉がいつしか政財界も含めた大勢の人々に多大な影響を与え、その教えが語り継がれていく事となります。
その中村天風氏の残された言葉や哲学は相当な量があるのですが、少しだけ紹介させて頂きたいと思います。
『「人生苦もありゃ楽もある」と考える人はその通りの人生を送るし、「人生ろくなことしかない」と考える人は実際に悲惨な一生を送る。』
『蟹は甲羅に似せて穴を掘る。
蟹は甲羅の大きさだけしか穴を掘らないのと同じで、そういう人は自分の心のスケール以上の人生はつくらない。』
『健康も長寿も運命も成功も、いえいえ、極論しますと人生の一切合財のすべてがこの積極精神というもので決定されるのです。
心の態度が積極的だとお互いの命の全体が積極的に運営される。
反対に消極的だとまたそのとおりに全生命の力が、消極的に萎縮せしめられてしまいます。』
『とかく強気で頑張りさえすれば積極的だと思っている人がある。とんでもない。
本当の積極的というのは、どの点から見てもその心の状態が、尊く、強く、正しく、清くあるときが本当の積極。』
『現実というものはどうしても現実の力でのみ解決しうるので、現実以外の力では解決できないのであります。』
『欲を捨てろと言う。
出来ない相談をできるもののように説いてるのが、既成宗教や古い形式の道徳論や論理学をいう人なんであります。』
『断じて行えば鬼神もこれを避く。』
中村天風氏は既存宗教に対してはどちらかと言えば否定的であり、占いや方違え、日の吉凶などは迷信として断固否定されておられましたが、それらも含めて個人的には大いに納得するものであると同時に御神仏に頂いた御言葉に相通じるものを感じる部分があります。
中村天風氏には政財界も含めた多くの方が師事され、多大な影響と結果を事実として残されました。
その中には経営の神様と呼ばれ椿大神社の境内の松下幸之助社に奉られておられる松下幸之助氏を始めとする著名人の方も幾人もあります。
ここで突然ながら皆様が当然に持たれるであろう疑問として、いまさら何故自分がこの様な投稿をしているのか?と言う事があるでしょう。
このブログの投稿者となる前、自分はどちらかと言えば積極精神に生きており、大きな不満も不幸もなくそれなりに幸福に生きていました。
ところが、投稿者となってしばらくはまだマシだったものの、後には生きる意味と希望を失うと同時に深い悲哀と苦悩に陥る事態となりました。
あまりの悲哀と苦悩と絶望についには精神科の診察を受けるも匙を投げられ、仕事にも支障をきたし精神も生活も何もかも破綻寸前にまでなったのです。
そして追い討ちを掛けるかの如く慈悲とか悟りとかを説いていた仲間だと思っていた方は自分に対して無視を決め込み見捨て切捨てたのです。
(なんと言うか滑稽さに乾いた笑いが出てしまいますよ・・・)
なぜこの様な事になってしまったのか?
その探求の過程において行き着いたひとつが中村天風氏の言葉であり教えであり、自分の原点とも言うべき生き様の在り方についてでした。
”額に汗してあらん限りの力を発揮せんとし何者をも恐れぬ勇気で立ち向う時にこそ、運命は切り拓かれ飛躍するのではないでしょうか?”
当初、「波兎」は投稿者名としてその場の思い付きで適当に決めた名の筈でした。
しかしながら後に御神霊より「偶然だと思うのか?」との言葉がありました。
調べてみると兎は多産であることから繁栄と素早く飛び跳ねることから飛躍を象徴する縁起の良い動物とされ、更に「波兎」とはその兎が”波に乗って”更なる飛躍をするという開運飛躍の想いを込められた象徴であったそうです。
同時に兎は因幡の白兎に見られる様に時として神使として扱われた様です。
「飛躍する波兎に天の風を受け更なる開運飛躍を」と言うのは冗談ですが、自分が体験した悲哀、苦悩、絶望の果てに行き着いた想いを或いは他の方の参考として残す事は出来るのでは無いかと考え投稿に至りました。
いちおう可能であれば続けていきたいと思います。
最後になりましたが新年明けましておめでとうございます。
そして本年が皆様の更なる飛躍の年となります様に心よりお祈り申し上げます。
波兎
P.S
昨年、東京上野は御徒町・徳大寺の摩利支天様には幾度となく御導きを頂いた様に感じております。また併せて中村天風氏にもこの場で御礼に代えさせて頂きたいと存じます。
ありがとうございました。
comments(3), -, pookmark
