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困った上司3(星)

前回は、「突撃絶叫上司」について書きましたが、実際の戦闘において「突撃」や「総攻撃」を命令するタイミングを的確に判断することは非常に難しいと書かれていたことがあります。「突撃」や「総攻撃」は使い方によっては大きな成果を得ることはできますが、判断を間違えますと、成果の割には被害ばかりが大きくなります。敵が万全な備えをしている陣地に対して何の策もなく、突撃を繰り返すならば、被害ばかりが増えるだけであり、成果は期待できるはずもありません。前回取り上げました「突撃絶叫上司」は一年中突撃を命令している指揮官と言うべきでしょうか。

 

「突撃」や「総攻撃」で大きな成果を得る条件は、敵の勢力が破綻寸前であり、辛うじて戦線を持ちこたえている場合です。このような戦況の場合には、一気呵成に責め立てることで敵の戦線は総崩れとなり、大戦果を得ることが可能となります。しかし、判断を誤り、必要以上に慎重となり、攻撃を控えて戦力の温存を優先しますと、敵が戦線の建て直しを図ったり、援軍が到着したりと弱っていた敵の勢力が強化されてしまうこともあります。

 

これは戦闘行為に限られた話ではなく、仕事にも言える話ではないかと思います。前回取り上げました「突撃絶叫上司」は一年中突撃命令だけを命じている指揮官と同じと言えます。勝機もないのに突撃を命令するならば、戦果を得られたとしても被害が大きくなるのと同じように上司が叱咤激励しても成果を残すことが難しくなります。このような「突撃絶叫上司」が成功できるのは、高額な成功報酬が約束された営業だけではないかと思います。

 

高額な成功報酬を約束された営業の場合には、部下は成功報酬を得るために自分で考えて働きますので、上司のやるべきことは限られていると言えます。但し、営業成績が残せない社員は退職するしかありませんが、高額な成功報酬が約束されているならば、人は集まりますので、企業としては成り立ちます。今から40年以上前ならば、こんな会社は数多くありました。30人・40人採用されても半年を過ぎる頃には、半分は退職して20人以下となり、1年後に残っているのは、10人以下とあり、2年後に残っているのは5人以下が当たり前でした。

 

入社後の初めての賞与が支給されると新入社員の半分は退社、そして冬の賞与が支給されると更に半分が退社、つまり半年毎に同期の社員が半分となるのが営業の世界でした。こんな話が珍しくないのが40年以上前の営業の世界であり、30年前位から徐々に変わり始めた印象があります。これは消費者との対面での営業の世界においては、高度成長期を経験した管理職が引退し始めたことが大きいと思われますが、ルートセールスの世界においては通信や物流にコンピューターが導入され、受注や物流が大きく変化したことの影響が大きいのではないかと思います。

 

ルートセールスの場合には、在庫管理や受注管理にコンピューターが導入され始めたことで、昔ながらの営業が通用しなくなったのですが、消費者との対面での営業の世界においては、高度成長期の生き残りのような「突撃絶叫上司」がまだまだ残っているようです。このタイプの上司の営業活動は、良く言えば熱意と言えるのでしょうが、実態は押し売り同然の営業が多い印象があります。これは強引とも思えるような営業こそが熱意と努力であると考えていることが理由と思われますが、それでも売り上げさえ残してくれるならば、企業にとっては優秀な営業となります。

 

私の知り合いが、このタイプの営業を焼畑農業と言っていました。焼畑農業は、林や森林を焼き払い、焼いた灰を肥料として作物を育てるため、1年から数年間は耕作した後、数年以上は耕作ができなくなるのと同じように、一つの職域などで強引とも言える売り方をすることから常に新しいお客を探さなければならないと言っていました。この営業方法は、ルートセールスのように固定された顧客を相手にする場合には、あまり使えない営業方法ではありますが、人によってはこの方法で営業成績を残している場合もあります。

 

押し売り同然の強引な押し売りをするならば、短期的には売り上げは伸びますが、売り上げは頭打ちとなります。しかし、受け上げが頭打ちになったならば、担当地域を変えてもらうにならば、次のお客に押し売り同然の営業をすることで営業成績を残すことは可能です。勿論、自分の都合で担当地域を変更することが可能な立場になければ、こんなやり方は通用しませんが、要領よく立ち回ることができる立場ならば、可能な方法です。当然のことながら後を引き継いだ営業は、強引な営業の尻拭いをさせられることになり、売り上げを伸ばすのに四苦八苦となりますが、会社は数字しか見ていないことから意外と社内の評価は高いことが多いようです。

 

しかし、営業の世界は正解は一つでなく、強引な営業であろうとも優秀な成績を残すことができるならば、それが正解と言えます。また、強引とも言える営業で成長した企業も数多くありますので、一概に批判はできませんが、管理人には馴染めない営業です。

 

 

ご相談は こちらから

at 13:14, 星 良謙・子授け地蔵, 経営

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