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困った上司5(星)

前回の投稿では、自分のやり方に頑固にこだわり、時代の変化に対応できない経営者について書きましたが、今回は別の意味で決断できない経営者について書きたいと思います。一般的に決断できないタイプを優柔不断と表現しますが、管理人の経験では、ワンマンな経営者の跡取り息子である経営者に多いタイプでした。前回は、創業者の経営者と息子が経営方針を巡って対立する場合の話を書きましたが、ワンマンな親の意向に逆らえない息子が唐突に経営を引き継いだ場合に多いタイプでした。

 

会社を創業して小さいながらも成功した経営者の多くは、ワンマンな場合が多く、死ぬまで経営の実権を握り続け、跡取り息子にも何も経営に参加させない場合が少なくありません。このような場合の多くは、息子と言っても求められるのは、親である経営者の指示に従う立場であり、肩書だけは役員でも仕事内容は従業員と大差がありませんでした。そのため、このようなワンマン社長が急病なとで他界した場合には、跡取り息子は経営者としての準備もないままに経営を引き継ぐことになりますが、後を継いだ跡取り息子の経営者は、自分では何も決められない優柔不断な経営者となりやすい傾向があります。

 

これは何も経営者に限られた話ではなく、高圧的な親に育てられた子供や過保護な親に育てられた子供にも言えることです。つまり、親が子供の自主性を無視して子供は親に従っていれば良いと言った育て方をするならば、子供はいつも親の顔色を窺う子供となり、子供が自分の考えを持つ機会を失うことになります。また、親が子供を過保護に育てるならば、子供の人生は与えられたレールりの上を走る電車となり、自分で試行錯誤を繰り返す機会を失います。しかし、親が子供に対してお前も大人になったのだから自分の人生は自分で決めろと迫っても自分が何をしたいのかも分からず、混乱します。

 

いつも親の科顔色を窺い続け、親の期待に応える事だけを求められた子供やいつも親が敷いてくれたレールを走ることしか知らない子供が健全な自我を持つことは難しく、自分で決めろと言われても自分では何も決められません。これは、奴隷が突然「これからは自由だから自分の好きなところへ行け」と言われているのと同じであり、何の準備もないままに放り出されるのと同じことでしかありません。その結果が「産んでくれと頼んだ覚えはない」との言葉となります。

 

さて、話を戻しますと、経営者と従業員に求められる能力の違いは、決断力と結果責任ではないかと思います。勿論、どちらの道を選ぶか判断によって会社の命運が決まるような重要な判断が求められる際に安易な考えや本人の思い込みで決断するのは、論外となりますが、どちらの道を選んでも大きなメリットと大きなリスクが伴う場合には、考えれば考える程、決断できなくなるのが普通です。そのため、最終的には経営者が決断しなければなりませんが、最悪なのが決断できないままに結論を先延ばしすることです。

 

即断即決が良いとは考えませんが、経営においては、最悪の場合を覚悟して即断しなければならない場面が数多くあります。大手の会社ならば、日常的な仕事内容でも管理人が勤めていた零細企業の場合には、受注の際に不安が伴うことはいつもの事でした。特に新規の顧客を開拓をした際に担当者から「これできるか?」と言われた見本を見ながら様々な不安が頭をよぎりながらも受注していました。勿論、会社に帰ってから外注先との打ち合わせに奔走していました。

 

では、どうして不安を抱えながらも受注したかと言えば、その場で快諾しなければ次がないことは分かっていたことが理由です。発注する側としては、何らかのメリットがなければ、現在の発注先を変更する必要はありません。そのため、挨拶代りに打診した仕事で悩んでいるようでは次がありません。そこで不安を感じながらも不安を感じていないように装うことを心掛けていました。

 

これは逆の立場になれば嫌でも分かることでした。自社ではできない大きな仕事が決まり、外注先を探したことが何度かあります。電話で相手に仕事内容と数量、納期を伝え、外注の打診をしますが、当時は景気が悪かったことから納期までの時間がない急ぎの仕事でも2社か、3社に打診すれば、外注先は直ぐに見つかりました。その際に良く聞いた言葉は、「明日は無理だけど、明後日ならば大丈夫です。」と言った返事でした。

 

こちらとしては、納期がありますので、次の候補の外注先に打診します。相手もそのことが分かっていることから「明日は無理だけど、明後日ならば大丈夫です。」と何とも残念と言った返事となります。ことらは、相手にも仕事の予定があるのは当然であることから断られたからと恨む気持ちはなく、次回に同じような話があれば、再び打診します。しかし、考えさせてくれと言った返事の場合には、即断できない業者であるとの印象しか残らず、信用を失う結果となります。

 

しかし、決断できない人は、即断即決ができません。迷って迷って考えた末に返事をしようとするのですが、返事をする頃には既に発注先は決まってしまっていることになります。これは急ぎの仕事でなくても同じことです。外注に限らず、発注する側としては、何社かに打診しますので、相手はいつまでも待ってはくれません。そのことを繰り返し話しても決断できない人は、直ぐに結論を先延ばししようとします。

 

その理由を色々と考えてみましたが、決断できない人は、人生において自分で決断した経験がないことが理由ではないかと考えるようになりました。この様に考えるようになった理由は、決断できるかどうかは、年齢に関係なく、家庭環境にあると考えるようになったこと、決断することを恐れる人は、判断の結果の責任を問われることに怯えることでした。そして更に根底にある決断できない理由を考えた結論が、最初に書きました「息子と言っても求められるのは、親である経営者の指示に従う立場であり、肩書だけは役員でも仕事内容は従業員と大差がない」ことです。

 

つまり決断できない人は、常に誰かの指示に従って生きている人であり、自分の意志で自分の人生を生きていないことから自分の意志を持つことができず、自分の意志で生きていないことから自分の意志で判断することに対して極端に怯えるのではないかと考えるようになりました。簡単に書きますと、親離れできない子供と同じであり、中年であろうが、初老であろうが関係がないと考えるようになりました。勿論、心理学を深く学んだ経験もないことから心理学的な見解とは異なるのかもしれませんが、この考えを更に突き詰めますと、管理人の守護霊の教えとなります。

 

では、決断できない人がどうすれば決断できるようになるかが問題となりますが、必要以上に失敗を恐れないことが大切となります。しかし、それが分かっていてもできないで困っているとの声が聞こえそうですが、個人的には繰り返し訓練するしかないと考えています。勿論、心理カウンセラーならば、もっと適切なアドバイスをされるかもしれませんし、成功するイメージを繰り返しイメージトレーニングすることも良いのかもしれませんが、自分で考えて判断することに慣れることが大切ではないかと思います。

 

 

ご相談は こちらから

at 15:40, 星 良謙・子授け地蔵, 経営

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