2010.10.29 Friday
念仏と往生3(星)
念仏と言いますと浄土宗や浄土真宗の印象が強いのですが、天台宗においても念仏は重視されます。しかし、浄土宗や浄土真宗や浄土真宗が極楽往生することを目的としている教えであるのに対して、天台宗の最終的な目的は極楽往生ではありません。
このことについて書かれた本はほとんどありませんので、詳しい解説をすることはできませんが、手元の資料から天台宗の説く仏国土(仏様の世界)を紹介します。
(1)同居土(どうこど)
(2)方便有余土(ほうべんうど)
(3)真実報土(しんじっぽうど)
(4)寂光土(じゃっこうど)
(1)同居土(どうこど)
凡夫(ぼんぷ)と聖人(しょうにん)が同じく住む、現世界
・同居土は同居の穢土(えど)と同居の浄土(しょうど)の二種類に分かれます
同居の穢土(えど) 娑婆(しゃば)のような五濁(ごじよく)のある穢土
同居の浄土(しようど) 極楽のような五濁の少ない浄土
(2)方便有余土(ほうべんうど)
見思二惑を断じて三界を出ても塵沙・無明の惑が残り、界外(かいげ)に受生できぬことができない者のためにある
(3)真実報土(しんじっぽうど)
真実の法を修行して、その報いとしてある浄土
(4)寂光土(じゃっこうど)
凡人の機根を(きこん)を完全に絶した仏の境界(きょうがい)
常楽我浄の四徳をそなえ、あまねく浄(きよ)く輝きわたり、理と智が冥合(みょうごう)した法身(ほっしん)が住する仏土
八宗綱要 仏教を真によく知るための本 講談社学術文庫 参考
簡単に説明しますと天台宗の教えでは、極楽浄土は仏の世界としては完全ではないとの教えであり、極楽浄土に往生しても修行が続くと考えます。
八宗綱要 仏教を真によく知るための本 講談社学術文庫 P346
仮身仏は、聞きなれない言葉ですので調べてみたところ応身仏のことであると思われます。しかし、応身仏と言っても分からない方も多いのではないかと思いますが、仏の三種類の身のあり方(法身・報身・応身)のことです。興味のある方は、「三身」で検索されるならば、詳しい解説がされているサイトが直ぐに見付かりますので検索されることをお勧めします。
仏身については管理人も頭の痛くなるような話であり、また仏の慈悲や悟りの内容とは無関係な話に思えてしまうのですが、この仏身論は宗旨によってはこの仏身論が大きな論争になったようです。
尚、仏国土については、下記のサイトが参考になりますのでお勧めです。
仏教研究専門サイト 『密厳浄土』 掲示板 NO.371 浄土の知識 こちらから
仏身や仏国土の話に深入りしてもあまり意味はありないと思いますので、天台宗の教えに簡単にご紹介します。
このことについて書かれた本はほとんどありませんので、詳しい解説をすることはできませんが、手元の資料から天台宗の説く仏国土(仏様の世界)を紹介します。
(1)同居土(どうこど)
(2)方便有余土(ほうべんうど)
(3)真実報土(しんじっぽうど)
(4)寂光土(じゃっこうど)
(1)同居土(どうこど)
凡夫(ぼんぷ)と聖人(しょうにん)が同じく住む、現世界
・同居土は同居の穢土(えど)と同居の浄土(しょうど)の二種類に分かれます
同居の穢土(えど) 娑婆(しゃば)のような五濁(ごじよく)のある穢土
同居の浄土(しようど) 極楽のような五濁の少ない浄土
(2)方便有余土(ほうべんうど)
見思二惑を断じて三界を出ても塵沙・無明の惑が残り、界外(かいげ)に受生できぬことができない者のためにある
(3)真実報土(しんじっぽうど)
真実の法を修行して、その報いとしてある浄土
(4)寂光土(じゃっこうど)
凡人の機根を(きこん)を完全に絶した仏の境界(きょうがい)
常楽我浄の四徳をそなえ、あまねく浄(きよ)く輝きわたり、理と智が冥合(みょうごう)した法身(ほっしん)が住する仏土
八宗綱要 仏教を真によく知るための本 講談社学術文庫 参考
簡単に説明しますと天台宗の教えでは、極楽浄土は仏の世界としては完全ではないとの教えであり、極楽浄土に往生しても修行が続くと考えます。
浄土教では報身仏(阿弥陀仏)の居る報度とするが、天台では仮身仏とし、衆生はここに往生して仏道修行をするという。
八宗綱要 仏教を真によく知るための本 講談社学術文庫 P346
仮身仏は、聞きなれない言葉ですので調べてみたところ応身仏のことであると思われます。しかし、応身仏と言っても分からない方も多いのではないかと思いますが、仏の三種類の身のあり方(法身・報身・応身)のことです。興味のある方は、「三身」で検索されるならば、詳しい解説がされているサイトが直ぐに見付かりますので検索されることをお勧めします。
仏身については管理人も頭の痛くなるような話であり、また仏の慈悲や悟りの内容とは無関係な話に思えてしまうのですが、この仏身論は宗旨によってはこの仏身論が大きな論争になったようです。
尚、仏国土については、下記のサイトが参考になりますのでお勧めです。
仏教研究専門サイト 『密厳浄土』 掲示板 NO.371 浄土の知識 こちらから
仏身や仏国土の話に深入りしてもあまり意味はありないと思いますので、天台宗の教えに簡単にご紹介します。
天台仏教は、それまでの奈良仏教にはなかった、きわめて独創的な大乗思想に基づいている。
その最大の特徴は、万人が悟りを得ることができる、という理念と方法論をもっている点にある。
具体的な言い方としては、天台宗は『教観二門』であるといわれる。
「教」は文字通り主経典である『法華経』を中心とした教義、理念を示し、「観」は止観(しかん)の法門をその根幹とする実践修行を指す。この仏道修行における2つの方向性を等しく修道(しゅうどう)するというものだ。
つまり、それまでの仏教がどれも「教」か「観」のいずれか一方に重点を置く傾向が強かったことに対する、天台の独創を表現した言葉である。
また、円(円満完全な最高の教え。具体的には『法華経』の理念)、密(密教)、禅、戒(大乗菩薩戒)という4種類の異なった思想、信仰、方法論が、どれにも比重を置くことなく成立しているため「四宗融合」の仏教とも呼ばれる。
Books Esoterica21 天台密教の本 学研 P172
天台宗の教えの特徴を簡潔に要約された文章であることから管理人が補足すべきことは特にありませんが、天台宗の法要では顕教と密教の儀礼があり、葬式などでは両方の儀礼が併用されます。尚、顕教の儀礼では法華経と阿弥陀経が用いられ、密教の儀礼では光明真言が用いられます。
詳しくは天台宗の公式ホームページをご覧下さい。
天台宗の法要儀礼 顕密二教の法要儀礼 こちらから
星
at 23:43, 星 良謙・子授け地蔵, 仏教
comments(0), -, pookmark