霊界理論の危うさ31(星)
振り返って考えますと、20代前半より自分の身の回りで得体のしれない不気味な気配を感じるようになり、その頃から心霊現象を意識するようになりました。最初は何が起きているのすら分からず、戸惑うだけでした。誰に相談すれば良いのかも分からず、何をすれば良いのかも分からない手探りの状態が続きました。
あれから30年以上の歳月が流れましたが、今も心霊現象に関しては分からないことだらけです。しかし、心霊世界は心の世界であることから、心について知ることが、心霊世界について知ることであると考えるようになりました。
勿論、人間の心に精通することができたとしても、生まれ変わりの仕組みや霊界の構造について知ることはできませんが、人間の心を知ることで霊界の法則を知る手がかりとなるのではないかと思うことが少なくありません。
前回の投稿で書きました親からも忘れ去られ、供養されることもないままになっている水子が屈折した気持ちを持つ傾向があることも心理学の観点から説明できるのではないかと考えます。このように考えるようになったのは、「アダルトチルドレン」と言う言葉に出会ってからでした。
占いを仕事にしようと考えた際に、心理学も少しは勉強しておいた方が良いだろうと考え、 一般向きの心理学の本を何冊か読みましたが、心理学の専門教育を受けたこともありません。そのため、アダルト・チルドレンに関しても幼少期に親の愛情を充分に受けることができないままに育った大人であること、アルコール依存症の親に育てられた子供たちをアダルト・チルドレンと呼んだのが始まりである程度の知識しかありませんでした。
そのため、アダルト・チルドレンについて解説できる程の知識はありませんが、幼少期に親の愛情を充分に受けることができないままに育った子供がアダルト・チルドレンの定義であるとするならば、水子もアダルト・チルドレンと言えるのではないかと考えるようになりました。
勿論、アダルト・チルドレンの定義が幼少期に親の愛情を充分に受けることができないままに育った子供であるとしても、水子の気持ちと生きている人間の気持ちを同一に論じることはできません。また、幼少期に親の愛情を充分に受けることができなかった背景にある親の事情も異なるなど画一的に考えることには無理があると思われます。しかし、親に見捨てられたという意味においては、忘れ去られた水子は究極のアダルト・チルドレンであると言えるのではないかと思われます。
では、ここで水子の話を離れて本来のアダルト・チルドレンについて少し紹介したいと思います。
まず、手元の資料では、有害な親として8タイプを挙げています。
1 かまいすぎて子供を窒息させる親
2 子供の幸せを取り上げる親(精神的に見捨てる)
3 完全主義者の親
4 カルトのような親
5 支離滅裂な親
6 常に自分の都合を優先する親
7 身体的な虐待をする親
8 責任を果たせない親(アルコール依存症などの親)
このように親に育てられた子供は健全な精神の発達が困難となり、心にゆがみを生じやすくなります。
1 「権力」や「能力」についての見方のゆがみ
大人になってから何かにつけて自分は人よりも能力が低いように感じたり、逆に自分は他人を圧倒するほど強大だと錯覚することがあります。また、自分がすることを自分が決めてはいけないように感じたり、自分に対して力を行使する人間に怖じ気づいたり、その逆にすぐ反発して軽蔑したりすることが多くなります。
2 感情や感覚、願望に関するゆがみ
大人になってからも「怒り」「恐れ」「悲しみ」などや、時には「喜び」の感情ですら、抱いていけないものと感じたり、自分や他人が示すそれらの感情に過敏反応するようになることがあります。愛する人が強い感情を持つことに耐えられなかったり、本当の願望が出てこなくなったり、非現実的な希望を抱くようになることもあります。また、無意識のうちに人生とは苦痛だと思うようになり、その結果、よいことが起きると反射的に居心地悪く感じて身を引くようになることもあります。
3 考えのゆがみ
他人による過剰なコントロールを普通のことと感じて疑問を抱かくなくなったり、自分の考えが間違っているのではないかといつも思うようになることもあります。親の独断的なもの言いに慣れきってしまった子どもは、何事にもすぐに断定的な傾向が増すことがあります。
4 人間関係に関するゆがみ
だれかと親しくしたいのに近づくことができなかったり、信頼に値しない人を盲目的に信頼したり、逆に他人がまったく信頼できなくなったりすることもあります。また、他人はみな自分にとって危険な存在か、または救ってくれる人のどちらかになり、その人をあるがままに見ることができなくなるかもしれません。人間関係に関する感覚にこうゆうゆがみがあると、人との心温まる関係や、人間としての喜びを感じることが困難になります。
5 アイデンティテーに関する感覚のゆがみ
自分の能力を実際より低く思ったり、本来の力を発揮できなかったり、実力以下のことをしようとする傾向が増します。また、本来持っているはずの個性をなくし、本来の自分ではない外観を作って体裁をつくろうこともあります。自分のアイデンティティーに対する感覚がゆがんでいると、いちばん大切な人間関係、つまり自分自身との関係がおかしくなってしまうのです。
「不幸にする親 人生を奪われる子ども」 ダン・ニューハース著 玉置 悟訳 より引用
忘れ去られた水子を一人の子供として考えますと、「1 かまいすぎて子供を窒息させる親」、「3 完全主義者の親」、「4 カルトのような親」には該当しないとしても「2 子供の幸せを取り上げる親(精神的に見捨てる)」や「8 責任を果たせない親(アルコール依存症などの親)」には該当するのではないかと思われます。
2 子供の幸せを取り上げる親(精神的に見捨てる)に育てられた子供に起きる可能性
・自己不信感が増す。
・抑うつ感がつのる。
・物事にに対する期待感や自信が持てない。
・「自分は愛情に欠けていて、人からも愛されない」と感じる。
・人とつき合う能力の発達が遅れる。
8 責任を果たせない親(アルコール依存症などの親)に育てられた子供に起きる可能性
・気持ちを楽に暮らせる機会がほとんどない。
・消極的で人にゆずってばかりいる。
・怒りや嫌悪感をうまく表現できない。
「不幸にする親 人生を奪われる子ども」 ダン・ニューハース著 玉置 悟訳 より引用
当然のこと水子を前提とした内容ではありませんが、水子の気持ちを知る手掛かりになると思います。
長くなりましたので、次回に続きます。m(_ _)m
尚、引用させて頂きました「不幸にする親 人生を奪われる子ども」 (文庫本)のご案内を掲載しましたが、この本はB6版もあります。
星
at 11:44, 星 良謙・子授け地蔵, 心霊現象と神秘体験
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