不成仏霊の気持ち8(星)
第六十二回 神宮式年遷宮 記録DVD 税込2,000円
パンフレットらは、御神木編・御木曳遍・御装束神宝編・建築編・遷御編・総集編が記載されていましたが、建築編・遷御編・総集編に関しては、神宮会館のHPで購入できるようです。
第六十二回 神宮式年遷宮 記録DVD こちらから
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それはさておき・・・・・
今回は前回の続きです。特に補足することもありませんが、この心霊は依頼者のご先祖に捨てられたことを怨んでいた心霊です。
私だって最初からこんなんじゃなかったよ。自分が悪いことぐらいわかっていたさ。だから神様や仏様にも謝ったよ。来る日も来る日も私は悪い女だったと謝ったよ。だけど、誰も助けには来てくれなかった。誰一人、私の何が悪かったのかも教えてもくれなかったのさ。
だから謝るのをやめたのさ。それが今の私さ。虫けらは虫けらでしか生きられないのなら、虫けらとして生きるより仕方がないのさ。笑うなら笑うがいいさ。私は私だよ。それが良く分かったよ。私がある日突然に仏さまになれるはずもなく、神さまになれるはずもない。だってそうだろ、私は反省すらできなかったんだよ。そんな人間が成仏できるはずもないだろ。
私だってあんたのやっていることは分かっているよ。私の苦悩が解消するようにと神さま仏さまにお願いしているってことは、だけど、どうして、私があんなに神さまや仏さまに助けを求め続けた時に、誰一人として助けに来てくれなかったのかと言いたいよ。
あんたは、どんな極悪人でも阿弥陀様は助けてくれると言っているけど、私が懸命に助けて欲しいと願った時には来てくれなかったよ。なのに、どうしてあんたが願っただけで、大勢の仏さまが迎えに来てくれるのさ。不公平じゃないか。まあ、私とあんたちじゃ違うと言ってしまえば、それまでだけど、どんな極悪人でも助けてくれると言うのは嘘なのかい。
それとも極悪人が念仏を称えても救われないから、偉いお坊さんに頼んで念仏を称えてもらわなければ救われないのかい。もっとも、あんたはお坊さんじゃないから違うかもしれないけど、あんたと私は何が違うのかね。わたしゃにゃ分からないね。だってどんな極悪人でも救って下さるのが阿弥陀様だろ。
あんたにゃ負けたよ。大概の坊主なら狼狽するか、偉そうな説法でもするだろうに何も動じない。だけど、本当はすべて分かっている。しかし、それを偉そうに説く気持ちもない。それは、あんたが救われない人間の気持ちを分かっているからだろうね。分かっているからこそ慰めや同情はしない。だけど、誤解されるよ。
私も自分が苦しいとつい甘い言葉を言われたり、優しくされると騙されていると分かっていても騙されてしまう馬鹿な女だよ。分かっていても直せない。本当は自分が悪いことは分かっているけどそれを認めたくないんだろうね。
あんたにゃ、どうして私が神さま仏さまに助けを求めても、神さま仏さまが助けて下さらなかった理由が分かるんだろうね。あんたは何も言わないけど、あんたの心は私には分かるよ。だけどそれを言葉で伝えても伝わらない。それがあんたの言いたいことだろ。
あんたは自分を捨てた。だが私は自分を捨てられなかった。それが違いなんだろうね。そして、それができるからあんたが願っただけで、私のような者のために神さま仏さまが迎えに来て下さるんだろうね。
私も好きな人のために自分を捨てたつもりだったんだよね。好きな人のためならば、自分の命なんかいらないと思っていたんだよね。だけど、本当はそうじゃなかったことをあんたに教えてもらったよ。だけど、あんたも馬鹿だよね。私も馬鹿だけどあんたは大馬鹿だよ。こんな金にもならないことばかりしてほんとに馬鹿だよ。
少しばかり話を戻すと、神さま仏さまに助けを求め続けても誰も来てくれなかったから、私は自分の好きなように生きることを決めたのさ、もちろん、私を苦しめたやつらに復讐したい気持ちも少しはあったけどね。だから言ったろ、生きている人間に自分の気持ちに正直に生きることができるように手助けしてやっただけだとね。
みんな偽善者づらして生きている。私にはそれが許せなかったのさ。口では偉そうなことを言いながら本当は下心を持って私に近づいて来た男ばかり、散々遊んでおいて陰では悪口を言いやがる。そんな男たちが私には許せなかったのさ。
星
at 17:13, 星 良謙・子授け地蔵, 不成仏霊の気持ち
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