専門家と言う名前の素人1(星)
仏教の話を投稿するのは、苦痛ではありませんが、本の内容を転記が中心では自分の記事ではないような気がします。
やはり、自分の言葉で書かないと書いた気分にはなりません。
そのため、今回は以前から気になっている事を取り上げます。
以前にも専門家と呼ばれる方の話でも信用できないこともあることを書きましたが、最近は以前よりも酷くなっている気がします。しかし、これは以前よりも酷くなったのではなく、ネット社会となり、情報を得やすくなったことから専門家の語る嘘を見抜きやすくなったことが原因かもしれません。これが30年前ならば、個人が世の中に何らかの情報を発信しようとしても、これと言った手段はありませんでした。
逆に情報を得ようとしても占いなどのように専門的な内容の場合には、情報を探すことが非常に大変でした。一般的な書店に占いの専門書が置いてあることは非常に少なく、見つけた場合には取り敢えず買うしかなくい状況でした。占いの専門書が揃っている書店を見つけてからも苦労は続き、信頼できる著者を見つけた場合には、著書の紹介に書かれた本を取り寄せていました。その当時に比べますと、本を探すのは非常に簡単になっただけでなく、ネットだけで調べられることも少なくありません。しかし、個人的には、書店の店頭で手にとって内容を確認しながら買う方が安心ですので、なるべく本屋で買うようにしています。
話は変わりますが、管理人が若い頃には、毎朝朝刊を読むのが当たり前の時代でしたが、一昨年の11月に新聞の定期購入を中止しました。購入を中止する1年以上前から記事の内容に疑問を抱くことが増え、政治関係の記事は見なくなり、次に一面もどうでも良い話が多いことから無視するようになっていました。次第に経済関係とスポーツの記事しか読まなくなりました。最終的には、玄関先に読むことのない新聞が溜まるようになり、新聞の定期購入を中止しました。
新聞記事に興味を失った理由を考えますと、新聞から得られる情報の価値が以前に比べますと相対的に低くなったことが理由ではないかと思います。インターネットが充実する前は、社会情勢を知る手段はマスコミに頼るしかありませんでした。情報を握る者が権力を持つと言いますが、その意味ではマスコミは巨大な権力を持っていたと言えますが、情報源が分散したならば、相対的に地位が低下するのは当然と言えます。
勿論、新聞から価値ある情報が得られるならば、情報源が増えても影響はないのでしょうが、個人的には、今の新聞に何の魅力も感じません。銀行などで時間待ちの際に新聞を読んでも何も変わっていないなと思うだけであり、お金を払ってまで読む気にはなれません。しかし、テレビやラジオも新聞と大差がないと思うことも少なくありません。
以前の事ですが、ワイドショー番組の皇室の話題の際に解説者が「歴代の天皇は政治に関わってこなかった」と言った内容のことを言ったことがありました。
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何を言っているのかと、一瞬思考停止しました。鎌倉幕府を倒して建武新政を実施した後醍醐天皇(ごだいごてんのう)、壬申の乱で大友皇子と戦った天武天皇(てんむてんのう)は政治に関与しなかったとでも言う気か、天皇家が政治に関与しなくなったのは、武家政権が実権を確立した以降であり、近世になってからの話です。鎌倉幕府の崩壊に後醍醐天皇(ごだいごてんのう)が関与していることを考えるならば、「歴代の天皇は政治に関わってこなかった」とはとても言えないはずです。そんなことは高校生でも歴史で習うことなのに、何を言っているのかと思いました。
近現代となりますと、政治的な問題にもなりますので触れませんが、少なくとも戦後に限定して「天皇は政治に関わってこなかった」と言うべきではなかったと思います。少なくとも解説者ならば、その程度の配慮はできて当然であり、その程度の配慮ができないならば、解説者を引き受けるべきではないと思いますが、テレビ番組に登場する解説者の話には、疑問を感じることは少なくありません。その繰り返しで、テレビ離れも進んでいます。
似たようなことは、経営コンサルタントなどの企業相手のコンサルタントと呼ばれる方々にも感じます。以前の事ですが、ある経営者の方から経営書の執筆を依頼されました。結局、原稿が8割ほど完成した段階で話は流れてしまいましたが、いずれ電子出版で出版しようかと考えています。その頃に、原稿を執筆していた当時に経営コンサルタントの本を何冊か読みましたが、あまり参考になりませんでした。
経営コンサルタントの方は、軍事学を引用されることが多いのですが、軍事学の基本を理解していないのに軍事学について書いていることから支離滅裂な解説になっていることが少なくありません。勿論、管理人も軍事学については素人ではありますが、高校の頃から軍事学に興味があった事やジェット戦闘機が好きで航空雑誌を毎月購入していた時期もありましたので、一般の方に比べるならば多少は詳しい程度です。しかし、そんな素人にも分かるような間違いが少なくありません。
以前に購入した経営コンサルタントの書かれた本には、戦略と戦術の違いを明確に区別することは困難であると言った内容があり、軍事学のいろはとも言える程度のことが分からずに戦略や戦術について書いているのかと愕然としました。軍事学の素人であるならば、軍事学を引用することなく、経営理論を駆使して解説すれば済む話なのですが、本の中には戦略や戦術と言った言葉が溢れていました。当然のことながら書かれている内容はもっともらしくても空理空論ばかりであり、支離滅裂な内容でした。
戦略と戦術の言葉の意味ならば辞書にも書いてあります。
戦略 戦争の総合的な準備・計画・運用の方策。
戦術 戦闘を行う上の方策。
戦略の定義は時代・地域・分野によってその意味は異なりますが、基本的な考え方としては辞書の内容であると言えます。つまり戦略とは、戦闘部隊が優位を確保できるように全体的な観点からの作戦であり、戦術は戦闘において勝利を得るための部隊の運用となります。そのため、戦略は基本方針、戦術は具体策とも言えますが、戦術あっての戦略であり、戦略あっての戦術ですので、どちらが重要かと言うべき問題ではないと思います。
しかし、この本の中では戦術的ではあっても戦略的でない企画が悪いことの様に書かれています。この著者は、戦略と戦術の区別が全く分かっていないと思いました。例えば、1つの部署が特定の商品の販売の方法を検討している際に会社全体に与える影響を考慮しなければならないのでしょうか。もし、会社全体に影響するような問題であるならば、末端の部署が扱う問題ではなく、経営陣が扱うべき問題となります。
会社の方針ならば、部署の扱うことができる問題ではなく、経営陣の扱うべき問題となります。そのため、同じ企画と言っても戦略的な企画なのか、戦術的な企画なのかでは目的も異なります。そのため、戦術と戦略を区別して考えなければ混乱を起こしますが、著者は、そのことを理解していないのでないかとか思いました。また、この本の著者は戦略的であることが良いことであるとの前提で書かれていましたが、優れた戦術は戦略の失敗を補うことはできますが、戦略が優れていても戦術の失敗を補うことはできないことをご存知ないのかと思いました。
優れた戦略は、優れた戦術なくして成り立たない話なのですが、このような事例は、少なくありませんでした。別に軍事学に精通していなければ、経営について語るべきではないとは考えませんが、軍事学を引用して経営について語られるのであるならば、最低限の知識は必要となります。また、経営コンサルタントの方は、戦国武将の話を引用されることも多いようですが、経営コンサルタントの方が紹介する戦国武将の話には俗説が多く閉口しました。
管理にも経営書を執筆中に戦国武将については多少調べましたが、小説や映画で取り上げられている話は俗説が多く、史実は異なることが少なくありませんでした。しかし、経営コンサルタントの方の多くは、小説や映画の話を史実と考え、戦国武将の戦術や戦略を語られていました。戦国武将の軍略について解説されるならば、当時の社会情勢を調べるのは最低限の義務だと思うのですが、俗説を下敷きにして解説されているようです。当然のことながら導き出される結論も見当はずれなないようとなります。経営コンサルタントの方は経営のプロかも知れませんが、軍事学や歴史家ではないことをもう少し自覚して欲しいと思います。
星
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at 11:48, 星 良謙・子授け地蔵, 管理人のひとりごと
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